今回は医学部受験について書きたいと思う。医学部といえば、受験の最難関というイメージを持っている人も多くいるだろう。実際、大手予備校の模試の偏差値などをみてみると、医学部の偏差値は、他学部の偏差値と比べると、高くなっていることがおおくある。そんな医学部の受験に対して、漠然と、難しい、成績が足りないなどと思いを抱いている受験生も多くいるのではないか。そこで、ここでは、実際の医学部受験について、医学生という立場から、書いていきたいと思う。まず、結論から言うと、医学部といっても、大学によっては、そこまで入学するのが難しいということはない。ここからは、国立大学と私立大学の医学部について分けて書いていく。まず、国立大学の医学部として、最上位にあるのが、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学といった、旧帝国大学の医学部である。次に上位にあるのが、千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学を含む、旧6医科大学である。そしてその次に上位のあるのが、新制8医科大学の東京医科歯科大学、弘前大学、群馬大学、信州大学、鳥取大学、徳島大学、広島大学、鹿児島大学である。大まかに言うと、上位からこのような順番で、格が高い国立医学部となっている。ここで注目しておきたいのが、格が高い大学と難易度が高い大学というのは全くの別物であるということである。私の個人的な、難易度でいうと、最も難易度の高いのが、やはり東京大学の医学部である。東京大学では、センター試験(共通テスト)の配点は、そこまで高くなく、点数が圧縮されるので、共通テストで必ずしも高得点が必要となるわけではない。(共通テストが低ければ、もちろん二次試験の点数が多く必要になる)しかし、東京大学の医学部の入試で最も難しいのが、二次試験である。東京大学の二次試験では、理系であっても国語の試験を受ける必要がある。理系の国語だから簡単なのではないかと思う人もいるかもしれないが、東京大学の入学試験の国語は、現代文、古文、漢文が出題され、時間こそ余裕があるものの、現代文も、古文も、漢文もほとんどが記述の問題が出題されており、どれも厳密な採点がされるので、得点をするのが難しい試験になっている。80点満点の試験だが、理系の学生の合格者平均得点は30点前後だと言われている。しかし、東京大学の医学部(理科3類)に合格するためには、国語でも45点前後の得点が必要になると言われている。たった15点なんて大きな差ではないと感じる人もいるかもしれないが、先ほども書いた通り、東京大学の二次試験では、厳密な採点がされるので、15点の差はとても大きな差になってしまう。東京大学の入学試験では、たった15点をとるのがとても大変なのである。また、古典や漢文も、センター試験レベルではなく、より高度な内容が出題されるため、二次試験用によりレベルの高い学習を二次試験用に学習を行わなければいけないという大変さがある。また、東京大学の入学数学は、大学入学試験の中で最難関とも言われる難問が出題される。東京大学の入試数学は、何も手をつけられないというような難問はあまり出題されないが、なんとなく方針はたつものの、解答を最後まで書き切ることが難しいという問題が多くみられる。解答を進めていく節々で、効率よく解答する能力が必要とされているような問題も多くあり、本質的な数学力が必要とされている問題が多くみられる。東京大学の入試数学を攻略するためには、まずは、よく問題を見るということがあげられるだろう。問題をよくみるといっても、あたりまえのように感じる人もいるだろうが、考えている以上に問題をよくみる必要がある。というのも、東京大学の入試数学には、パッとみた感じなんとなく方針は立つが、解答を書ききることに難しさのある問題がある。このように、解答を出し切ることが困難な問題、俗に言う捨て問を見抜き、余分な解答時間をかけないようにするためにも、試験開始時に、ある程度時間をさき、捨て問を見抜く必要がある。東京大学の入試数学で、高得点をとっている人の話を聞くと、試験開始時に、各問題につき、五分ずつかけ方針をたて、解答を書きやすそうな大問から解答を始めていくという戦略で解答をしているようである。実際に、捨て問に30分をかけ、時間を浪費するよりも、五分で見抜き、解答をかける問題により多くの時間をかけ、解答を書き切った方がよっぽど効率的なのである。このように、東京大学の入試数学では、一般的に他の大学の入試数学で必要な数学力に加え、捨て問を見抜く力、そして、効率よく解答を書く戦略性も必要とされている。東京大学の入試数学で高得点を取るためには、東京大学専用の対策が必要になると言えるだろう。